ハッピーエンドな旅の途中で。

生きてる事は旅すること。旅とは移動の有無ではなく、生きるスタンスそのもの。

【本】日本遥かなり エルトゥールル号の奇跡と邦人救出の迷走 

 
日本遥かなり
エルトゥールル号事件の奇跡と
邦人救出の迷走
法を守って人守らずはここまで‥
 
 有事時における在留邦人の救出について日本がどのような選択をしてきたか?を書いたノンフィクション。
 
今仕事で一緒に動いている商社マンから紹介を受けて読んだ本。彼も海外に駐在していたので、
もしもの為にと読んだらしい。
 
エルトゥールル号遭難事件をご存知だろうか?1890年に和歌山県串本町にて、当時はオスマン帝国現トルコの軍艦が海難事故を起こした。
 
600人近い乗組員がいたが、命からがら浜までたどり着けた約70名を串本町の方々が手厚く受け入れて、看病してトルコに送り返した。
 
トルコが親日国たる出来事である。
 
ここから95年後の1985年。
イランイラク戦争にてフセインが「48時間後にテヘランの上空を飛ぶ飛行機は無条件に攻撃する」と宣言。
 
その時テヘランには215名の在留邦人がいたが、
日本からの救出の不可能だと突きつけられる。
 
絶体絶命の中、在留邦人を助けにきたのは
トルコ航空からの2機の飛行機だった。
 
それをつないだのは、
一民間企業(伊藤忠商事)の一人の商社マンと、
首相の昔からの関係性だった。
 
というのは知らなかった。
と、こんな感じで政治が不安定な地域で働いている
在留邦人を有事の際に、一番には助けにきて欲しい日本が法律にがんじがらめなので、助けにいけない
というエピソードが複数書かれている。
 
法を守って自国民を守れない日本。
そんな法律ってなんか違くない?
 
少しづつ、自衛隊の海外での活動ができるようにはなったが、
それは軍事行動ではないのか?戦争か?
というアレルギーが
在留邦人を突き放すのだろうか。
 
『自衛』を意味を再び考える機会を
与えてくれる。
 
世界の緊張が高まる中、このタイミングで
読めてよかった。
 
余談ではあるが、
商社マンが海外赴任の時にその国の治安が、
危なくなった場合は危険手当が出るらしい。
 
普通の感覚だと
早く帰国しろよって感じですが、
 
根っからの商売人の彼らは
お客さんをほっぽり出して帰るという事はしないだろうなと思う次第。
商売と義理人情の天秤において危険地帯であってもマーケットの覇者として他社を出し抜きたいだろうなぁ。