キプロス島の王様キニュラスを待ち受けているの女がいた。
夜伽(夜のお相手)をしたいというその女の条件は変わっていた。
なんでも、明かりを消して姿を見せないままに相手をしてほしいとのことであった。
キニュラスも不振には思ったが、相手をすることに。
12連夜交ったりもかかわらず声さえ発せぬその女にキニュラスはついに姿を見てしまう。
それはなんと自分の娘ミュラーであった。
ミュラーの美しさに嫉妬したアフロディーテが息子エロス(キューピット)を呼び、父親であるキニュラスを好きにさせたのだ。
キニュラスは怒り、ミュラーを城から追い出してしまう。
失意の中ミュラーは、自分を何でもないものに変えてほしいと神に願いを訴えかけ、没薬(まつやく)の木(没薬の木の樹脂は防腐剤などになる)となってしまう。
ここから話は急展開。
その木が身籠っていると分かったのは数ヶ月。そうして産まれたのがアドニスであった。
(ニンフたちが子供を取り上げる)
アドニスは成長するなりみるみる美少年となった。
(アドニス)
その美少年に目をつけたのがアフロディーテである。
アフロディーテはアドニスを好きになったのであるが、アドニスは若くして不慮の事故で死んでしまう。
(↑この猪にやられる)
その事で流したアフロディーテの涙から薔薇が生まれた。
(ずばりアフロディーテという名前の薔薇の種があるみたいです)
そして、流れたアドニスの血からはアネモネの花が生まれた。
風に吹かれ散ってしまうようなアネモネの花は短命でも美しく散っていったアドニスを思わせるである。
アネモネの花名の由来は、ギリシャ語の「風(anemos)」からきてるという。
とことん、報われない二つの
悲しい恋の話でした。