ハッピーエンドな旅の途中で。

生きてる事は旅すること。旅とは移動の有無ではなく、生きるスタンスそのもの。

【観劇】自由と安全に必要な代償を考える Alturo Ui アルトゥロ ウイ】

 

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一昨日は観劇会でした!
屋上の音楽会のピアニストの仙ちゃんが、
音楽を担当している劇とあって、
賢者ナータンに続き、またまたドイツの劇
Altro Uiアルトゥロウイを観に行きました!

アルトゥロウイという、誰にも相手されていなかったような田舎者のギャングが、チャンスを掴み、野菜業界での暗躍にて、まさに独裁者として、のし上がっていく様が見事に描かれていました。

 

✨ここからあらすじ✨

アルトゥロは、野菜の小売店の元締めである野菜トラストと結託して、野菜の小売店の
セキュリティを買って出ます。

皆さんが安心して、野菜を売れるように!
と声高いにスピーチするアルトゥロですが、

物騒な事は、アルトゥロの仲間が全て起こしている事でした。

恐怖や暴力を利用して、無理矢理、自らの必要性と地位を構築していくアルトゥロ。

始めは、あっても無くても取るに足りないようなものが、野菜トラスト含めて、いつの間にか絶対に必要とされる状況に知らぬ間に追い込まれていくのです。

✨あらすじ終わり✨

 

一番の見所は
アルトゥロウイの変貌です。

始めは、本当に誰にも相手されないであろう立ち振る舞い(もはや人間であるかも謎でした(笑))

 

そこから、堂々と、人々を鼓舞するような
スピーチができる独裁者への変貌の軋轢が、

舞台セットの一部を変化させてながら、表現しているところなど大変興味深かったです。

 

いつの間にか、観客の私達でさえ、
アルトゥロウイに無理矢理取り込まれていくような、演出も素晴らしかった。


私達が謳歌している自由や、
当たり前に感じている安全というような
概念は、よく考えてみるとさほど実態がない事に気付きます。

 

警察がいるから、
行政が機能してるから、
治安が税金によって担保されてるから、

 

私達は自由なのでしょうか?
安全なのでしょうか?

 

何者かによってのみ担保されるようなものが、果たして本当の自由や安全と呼べるのでしょうか?


舞台の後半、アルトゥロも自分自身の中にある悪魔に追い詰められていくシーンがあります。 

 

アルトゥロウイもまた、
自分自身で作り出した恐怖に怯える1人の人間として描かれます。

 

生きていれば、誰にでも、
色んなリスクが付きまといます。

 

そのリスクを人任せにするサービスは
いつの間にか、支配に代わる事もあるんだと
強く思いました。

 

その後、劇に強く心動かされて、
巧君と、串カツ食べて、いつもの花saka BAR
で熱く語り合いました!