全てはつながりの中で変化している。
東京家族を観ました、とても素晴らしい作品でした。
概略
故郷を巣立った、東京に住む子供達に会いに田舎から出てくる両親のお話しです。家族というものの、それぞれの都合の中でしか関わり合いを持てない家族の切なさを描いています。
静かなトーンで描かれた作品ですが、メタファー(暗喩)が強烈です。
登場人物達に直接を語らせるのではなく、背景やエキストラ、雰囲気において、残酷な物語を進行させているような感想を持ちました。
THE日本映画ですね。
橋爪功さん演じるお父さんが、
絶っていたお酒を旧友に勧められて、呑み、本音を漏らすシーンがあります。
どこかでこの国は道を間違えた。
と、呟くシーンがあるのですが、
監督が映画を通して伝えたかった事だったのではないかと強く感じました。
この台詞を聞いて
さだまさしさんの
「風に立つライオン」を思い出しました。
医師としてアフリカへ渡った医師の別れた恋人へ送った手紙がそのまま曲になった壮大な作品です。
その中で日本人の心の不摂生について、訴える歌詞があります。
(以下歌詞)
この偉大な自然の中で病と向かい合えば
神様について ヒトについて 考えるものですね
やはり僕たちの国は残念だけれど何か
大切な処で道を間違えたようですね。
風に立つライオン
(いつ聞いても涙がでる名曲です!ハンカチを用意してどうぞ笑)
間違ってしまった道。
どんな未来に繋がる道なのでしょうか?
私は東京家族を、老人を敬おうとか、家族を大切にとか、そんなざっくりとしたメッセージで語られるのは勿体無いと思うのです。